概要
建築確認済証の交付を受けたら、いよいよ着工です。着工から完成引き渡しまでの期間は、木造2階建ての一般的な注文住宅で4〜6ヶ月が目安です※1。
この記事では、地鎮祭から完成引き渡しまでの各工程について、内容・期間・施主が確認すべきことを整理します。工事全体のスケジュール感を把握しておくことで、施主検査や入居準備のタイミングを見誤らずに済みます。家づくりの全体像で家づくり全体の流れを確認したうえで、この記事で工事段階の詳細を押さえてください。
全体スケジュール
| 工程 | 期間の目安 | 累計 |
|---|---|---|
| 地鎮祭 | 1日 | — |
| 基礎工事 | 2〜4週間 | 約1ヶ月 |
| 上棟(建て方) | 1〜2日 | 約1.5ヶ月 |
| 屋根・外壁工事 | 2〜4週間 | 約2.5ヶ月 |
| 断熱施工 | 1〜2週間 | 約3ヶ月 |
| 内装工事 | 4〜6週間 | 約4.5ヶ月 |
| 設備設置 | 1〜2週間 | 約5ヶ月 |
| 外構工事 | 2〜4週間 | 約5.5ヶ月 |
| 完成検査・施主検査 | 1〜2週間 | 約6ヶ月 |
| 引き渡し | 1日 | — |
※ 上記は木造軸組工法(在来工法)2階建ての標準的な目安です。鉄骨造やRC造、3階建て、大規模住宅ではさらに期間がかかります。
各工程の詳細
地鎮祭(任意)
工事の安全と土地の守護を祈願する儀式です。神主を招いて行うのが一般的ですが、近年は省略するケースも増えています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所要時間 | 30分〜1時間 |
| 費用 | 3〜5万円(初穂料+お供え物) |
| 施主が用意するもの | 初穂料(のし袋に入れる)。お供え物は建築会社が手配する場合が多い |
| 服装 | 特に決まりはないが、清潔感のある服装が望ましい |
建築会社によっては地鎮祭の代わりに簡易的な「鍬入れ式(くわいれしき)」を行う場合もあります。
基礎工事(2〜4週間)
建物を支える基礎を造る、最も重要な工程のひとつです。
工事の流れ
- 地縄張り・遣り方: 建物の位置を敷地に示す
- 掘削(根切り): 基礎の形状に合わせて地面を掘る
- 砕石敷き・転圧: 地盤を安定させる
- 防湿シート敷設: 地面からの湿気を防ぐ
- 捨てコンクリート打設: 基礎の位置出しの基準面を作る
- 鉄筋組み(配筋): 基礎の骨となる鉄筋を組む
- 配筋検査: 鉄筋の太さ・間隔・かぶり厚さを検査※2
- コンクリート打設: 型枠にコンクリートを流し込む
- 養生: コンクリートの強度が出るまで養生する(夏場で3〜5日、冬場で5〜7日以上)
- 型枠ばらし: 養生後に型枠を外す
施主が確認すべきこと
- 配筋検査の結果: 第三者検査機関を利用している場合は報告書を確認する。施工中のチェックポイントも参照してください
- 基礎の位置: 設計図面通りの位置に建っているか(建物の配置)
- アンカーボルトの位置: 基礎と土台を繋ぐアンカーボルトの設置状況
上棟(建て方)(1〜2日)
柱・梁・棟木を組み上げ、建物の骨組みを完成させる工程です。木造住宅の場合、1日で建物の形が見える状態になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所要日数 | 1〜2日(クレーン使用が一般的) |
| 上棟式の費用 | 5〜15万円(ご祝儀・お弁当等。実施は任意) |
施主が確認すべきこと
- 棟上げの見学: 可能であれば当日に現場を見に行く。構造がよく見える貴重なタイミングです
- 上棟後の雨対策: 屋根が仕上がるまでの期間にブルーシート等で養生されているか確認
屋根・外壁工事(2〜4週間)
上棟後、できるだけ早く屋根を仕上げて建物内部を雨から守ります。
屋根工事
| 屋根材 | 特徴 | 耐用年数の目安 |
|---|---|---|
| 化粧スレート(コロニアル) | 軽量・安価。定期的な塗装が必要 | 20〜30年 |
| ガルバリウム鋼板 | 軽量・耐久性が高い。金属屋根で近年主流 | 30〜50年 |
| 瓦(粘土瓦) | 重厚感がある。メンテナンスが少ない。重量がある | 50年以上 |
外壁工事
外壁の下地(透湿防水シート、胴縁)の施工後、外壁材を張ります。防水シートの施工品質は雨漏り防止の要であり、重要なチェックポイントです。
断熱施工(1〜2週間)
壁・天井・床に断熱材を施工します。断熱材の種類と施工品質が住宅の断熱性能を左右します。
| 断熱材の種類 | 施工方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| グラスウール | 充填断熱 | 最も一般的。施工品質のばらつきに注意 |
| ロックウール | 充填断熱 | 耐火性が高い |
| 硬質ウレタンフォーム | 現場発泡 | 隙間なく施工できる。気密性が高い |
| フェノールフォーム | 外張り断熱 | 断熱性能が高い。薄くても高性能 |
施主が確認すべきこと
- 断熱材の隙間: 充填断熱の場合、壁の中に隙間なく充填されているか
- 防湿層: 室内側に防湿シートが張られているか(結露防止のため)
- 気密処理: コンセントボックスや配管まわりの気密処理がされているか
内装工事(4〜6週間)
壁・天井・床の仕上げ、建具(ドア・窓)の取り付け、階段の設置などを行います。
工事の流れ
- 石膏ボード張り: 壁・天井の下地
- フローリング張り: 床材の施工
- クロス(壁紙)張り: 壁・天井の仕上げ
- 建具の取り付け: ドア、引き戸、窓枠
- 階段の設置: 階段本体と手すり
- 塗装: 必要な箇所の塗装仕上げ
施主が確認すべきこと
- クロスや床材の品番: 打ち合わせで決めた仕様と合っているか
- 建具の開き方向: 図面通りの方向に開くか
設備設置(1〜2週間)
キッチン、浴室、トイレ、洗面台、エアコン、照明器具などの設備を設置します。配管・配線工事は壁が閉じる前に完了していますが、器具の取り付けはこの段階です。
設備選びの詳細はキッチンの種類と設備、浴室・洗面・ランドリー、電気設計をご覧ください。
外構工事(2〜4週間)
建物工事と並行して、または建物工事の終盤から外構工事に入ります。駐車場、アプローチ、フェンス、植栽などの工事を行います。詳しくは外構計画をご覧ください。
完成検査(1〜2週間)
建物の完成後、複数の検査を経て引き渡しに至ります。
| 検査 | 実施者 | 内容 |
|---|---|---|
| 社内検査 | 建築会社 | 建築会社自身による品質チェック |
| 完了検査 | 指定確認検査機関 | 建築基準法に基づく法定検査※3 |
| 施主検査 | 施主(あなた) | 傷・汚れ・不具合を確認 |
施主検査の詳しいやり方は施主検査(竣工検査)のやり方をご覧ください。
工事中に施主がやると良いこと
定期的な現場訪問
工事中は可能な範囲で現場を訪問しましょう。目安は2週間に1回程度です。訪問の際は必ず事前に現場監督に連絡し、安全に見学できるタイミングを確認してください。
変更・追加の判断
工事が始まってからも、コンセントの位置の微調整や棚の追加など、細かい変更が出てくることがあります。変更が可能なタイミングは限られているため、現場監督に確認のうえ早めに判断してください。なお、工事着手後の変更は追加費用がかかることが多いです。
近隣への挨拶
着工前に近隣への挨拶を行うのが一般的です。工事中は騒音や車両の出入りで迷惑をかけるため、事前の挨拶は近隣関係を良好に保つうえで重要です。建築会社が挨拶を代行してくれる場合もあります。
引き渡しの準備
完成が近づいたら、以下の手続きを並行して進めます。
- 引越し業者の手配: 繁忙期(3〜4月)は早めに予約
- ライフラインの手続き: 電気・ガス・水道の開栓手続き
- 登記の準備: 土地家屋調査士・司法書士への依頼。自分で行う場合は引き渡しの2ヶ月前から準備する
- 住所変更: 金融機関、保険、クレジットカードなどの住所変更
引き渡しの詳しい流れは引き渡しの流れと届出をご覧ください。
工期が延びる主な要因
| 要因 | 影響 |
|---|---|
| 天候不順 | 基礎工事や外壁工事は雨天で作業ができない場合がある |
| 資材の遅延 | 設備や建材の入荷が遅れる場合がある |
| 設計変更 | 施主の変更依頼により工程が追加される |
| 人手不足 | 職人の手配が遅れる場合がある |
契約書の工期と実際の完成見込みにずれが生じていないか、月1回程度は現場監督に確認しましょう。
出典
- 住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査」 https://www.jhf.go.jp/about/research/loan/flat35/2024.html
- 建築基準法施行令 第79条(鉄筋のかぶり厚さ) https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000338
- 建築基準法 第7条(建築物に関する完了検査) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201
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